無農薬で害虫のこない庭を考える
【最新の害虫予防はこちらの記事をどうぞ↓↓】

【※本文に虫の写真は載せていません。】
虫の苦手な私は、日頃から「害虫がこない」を強く意識して庭づくりをしています。
害虫除けの農薬も多く販売されていますが、我が家には幼い子供もいますし、私自身も健康体ではありません。
なので、可能な限り無農薬を取り入れたいと考えています。
無農薬でできることは何か。
私は手探りながら、これまで調べてきたことや考えてきたことを、少しずつ試していくことにしました。
1. 害虫のつきにくい植物を選ぶ
一番意識していることはやはりこれです。
植物の苗や種を選ぶ時は、害虫のつきにくい植物をあらかじめ調べるようにしています。
【害虫のつきにくい植物 —全一覧はこちら↓↓】

害虫のつきやすい植物を選ぶと…
以前、私は鉢植えでクチナシを育てていました。
花もかわいく、とても気に入っていました。
しかし、どうやらクチナシはオオスカシバという虫が好む木でもあるようです。
最初のうちは、蜂に似た変わった虫が飛んでいるなと特に気にせず過ごしていたのですが、ある時、クチナシの葉がきれいに丸坊主になっていました。
調べてみると、このオオスカシバの幼虫の食害に遭っていたようです。
青虫のような幼虫が葉についているのを見つける度に取り除くようにはしていたのですが、葉が復活するとまたしても丸坊主に。
もう少し念入りに調べる必要がありました。
そこで虫の苦手な私は、家族にお願いをして代わりにその鉢の中を見てもらいました。
すると、中には20匹ほどの幼虫がいたそうです…。
本当にクチナシの葉が大好きな虫のようですね。
また、名前がわからないのですが、オオスカシバの幼虫とは異なる大きめの親指サイズの黒い芋虫がひたすら鉢の中をぐるぐる走っていたこともありました。
これには大ショック(怖すぎて)!!
どうやら虫の苦手な私が扱うにはクチナシは難易度が高かったようです。
しかし、クチナシの植木鉢が荒れている一方で、その近くに置いてあった虫のつきにくいとされる植物の鉢には、目立った虫の姿はありませんでした。
私は、この一件で「虫のつかない植物を選ぼう」という意識がさらに強まりました。
ちなみに、その後クチナシは近所に住む親に引き取ってもらい、そこで今も元気に育っています。

クチナシ
また、プランターで野菜を育てた際にも、虫はたくさんつきました。
特に、ラディッシュにはヨトウムシ(ヨトウガという蛾の幼虫)がたくさんつきました。

ラディッシュ

ミニニンジン
子供達とともに楽しく育て、収穫することはできましたが、やはり今後も続けたいかと思うと私には少々荷が重く感じました。
2. 風通しを良くする
植物を育てるにあたり、その栽培環境はとても大切です。
日当たりはもちろん大事ですが、風通しの良さも高温多湿を好む害虫の予防に非常に大切だと思いました。
私がアンの庭で気が付いたその具体的な例を2つあげます。
①風の抜け道を確保
当たり前かもしれませんが、風通しを確保するためには、風の通り道を塞がないというのが一番の方法です。
「植物に風をあててあげる」を意識しています。
特に、アブラムシやカイガラムシ対策には、やはり風通しの良さが要になってくると思うので気をつけています。
②盛り土気味に植え付ける
アンの庭にはエレモフィラニベアが植えてあります。
エレモフィラは、多湿や雨、霜に弱い非常にデリケートな植物で、地植えには本来不向きです。
しかし、二年目を迎える現在も元気に大きく育っています。
そんなエレモフィラニベアを植え付ける際、私はやや盛り土気味に植え付けました。
これは意図的ではありませんでしたが、雨の多い夏を越せたのは、結果的に盛り土にしたことで風通しや水はけがよくなったのではないかと思われます。

エレモフィラニベア
【エレモフィラニベアの育て方・成長記録はこちら↓↓】

③寄せ植え鉢の置き場
寄せ植えの記事でも少し触れましたが、普段虫のつきにくい植物を選ぶようにしていると言っても、季節の花を使った寄せ植えはやはり憧れます。
また、虫のつきにくさを重要視していても、密に植え込むと鉢の中で葉が蒸れたりして、虫が発生しやすくなるかもしれません。
そこで、アンの庭では寄せ植えしたものは家屋から一番離れた(道路に近い)場所に置くようにしています。
これは、もし虫が発生した場合に家の中や他の植物に虫が入り込まないようにするためです。
それに、寄せ植えは華やかな庭の飾りとなります。
家屋からは遠くても、敷地の外から見ると庭の顔となり、お散歩中の人から声をかけてもらえることも。

トルソー 寄せ植え
【寄せ植えに関する記事はこちら↓↓↓】

4. 傷んだ葉や花はこまめに取る
傷んだ葉っぱや花がらの放置は、虫がわいてしまう原因になります。
一見手間のようですが、庭にいると自然と植物に手が伸び、きれいにしたくなります。
5. ニーム
ニームとはインド原産の木です。
ニームはいくつもの抗菌成分を含んでおり、インド伝統医療で使われていたそうです。
また農業の分野でも広く使われます。肥料、土壌改良、害虫除けなど様々な効能があります。
私は、特に害虫除けの効果を期待し、ニームオイルとニームケーキをガーデニングに取り入れてみました。
ただ、あくまでも「退治する」のではなく「寄せ付けない」ようにするもので、害虫予防として使っています。
①ニームオイル
ニームの成分を抽出したオイルです。
ニームオイルは本来独特な香りがするようですが、私はレモングラス入りのニームオイルを使っています。
水で薄めた希釈液を、一週間おきぐらいの頻度で噴霧器を使って、植物葉面を中心に噴きかけます。

ニームオイル 希釈液
レモンの香りが漂い、嫌な臭いは緩和されてむしろ心地よいぐらいです。
②ニームケーキ
ニームの搾り粕です。有機質の肥料・土壌改良剤として使われます。
そして、害虫防除にも役立ちます。

ニームケーキ
私は土に混ぜ込むのではなく、マルチングとして土の表面にかけました。
ただ、こちらは①のレモングラス入りのニームオイルとは違い、やや臭いがあります。

ニームケーキをかけた
この臭いをたとえるならば、玉ねぎの強いにおいといったところでしょうか。
少しつんとします。
その為、広範囲に一気に撒くのはやめ、はじめは花壇や鉢植えなど部分的に使用し様子を見ながら使用範囲を拡大しています。
私の場合、ニームはアブラムシやヨトウムシ、コガネムシ対策を念頭に置いていますが、多くの害虫がこの臭いを嫌うそうです。
さらにナメクジにも効果があるようです。
肥料としての効果もあるニーム。試す価値は大いにあります。
害虫予防もでき、植物も元気よく育ってくれるといいなと楽観的に期待してます。
使用時期は、虫たちが本格的に活動を始める直前からが勝負かなと思い、私はこのニームオイルとニームケーキを暖かくなり始めた3月から使い始めました。
またその効果に関しては、後日記事にしたいと思います。
【追記:最新の害虫予防はこちらの記事をどうぞ↓↓】

6.マルチング
マルチングとは、乾燥や雑草、害虫対策など様々な目的で植え付けた植物の株元をカバーすることです。
アンの庭でのマルチングは、主にコガネムシの幼虫対策です。
コガネムシによる産卵を防ぎ、幼虫が土中で植物の根を食べてしまわないようにします。
マルチングには色々な種類があります。
アンの庭では、先程のニームケーキの他に、化粧石とヒノキ入りの馬糞堆肥で試してみました。
①化粧石
元々、庭のアプローチ沿いに飾りとして敷き詰めていたピンク色の石を使いました。

化粧石
地植えのユーカリポポラスの株元に敷いてみました。
ただ、虫は力持ちなので、あまり効果はないのかなとも思いますが、その後被害もなく大きく育っています。
【ユーカリポポラスの育て方・成長記録はこちら↓↓】

②馬糞堆肥(ヒノキ入り)
馬糞堆肥は、主に土壌改良材として使われることが多いようです。
コガネムシや害虫は、有機質の土を好むようです。
だから本来、この方法は対策にはならないのだと思いますが、どうやらヒノキがコガネムシに対する忌避剤の役割を果たしているようです。

馬糞(ヒノキ入り)マルチ
堆肥でのマルチングはゴミも出ませんし、土壌改良の助けにもなる。
これでコガネムシ対策になるのなら庭の環境に良いなと思い、今回部分的に花壇やコンテナ管理の植物に使用してみました。
嫌な臭いも全くありません。
ただ、コガネムシ以外の害虫の住処になるおそれもあるので、ニームを併用しながら様子を見ます。
③マルチングの相性
マルチングというと、害虫除けだけでなく雑草や乾燥対策、また温度調節の効果もあります。
その種類も、バークチップや水苔、ココヤシファイバー、腐葉土、ビニールなど本当に様々で実用重視にも見栄え重視にもできます。
一度、くるみの殻が可愛くて試してみようと思い用意もしました。
しかし、調べてみると、カビやすい。
カビてしまうと、そこから虫が発生しやすくなります。
また、その形状から虫の住処にもなりかねないとの情報も。
これは、虫の苦手な私との相性は中々良いとは言えず、屋外での使用は断念しました。

くるみの殻
今回試したマルチングが原因で、植物がうまく育たなくなったらどうしよう…。
逆に害虫が増えたらどうしよう…。
などと不安も多々ありますが、うまくいってくれることを願います。
観察と学びの日々ですね(*’-‘)
私自身とアンの庭とそこで育つ植物との相性の良い方法を探すべく、今後も他のマルチングも試してみたいと思っています。
7.有機質な土壌の葛藤
マルチングの話でも触れましたが、虫は有機質に富んだふかふかな土を好むようです。
そして、これは同時に植物にとっても良い環境であると思います。
アンの庭の土は元々硬く、粘土質でそのまま植物を植えてもうまく育ちません。
市販の培養土や化成肥料、堆肥、腐葉土、赤玉土など様々な助けを借りて試行錯誤で土を耕し植栽をしています。
それでも実際のところ、害虫対策、農薬(忌避剤)不使用、植物の成長などのバランスを考えると肥沃な土への葛藤もあります。
今のところ、腐葉土などをすきこんだりしての土壌改良は、一気に全面やることはしていません。
植え付けの度にその部分をやや広めの範囲で行っています。
とりあえず、目立った害虫の増殖も見られません。
レイズドベッドや盛り土にした部分はふかふかなのでマルチングやニームで害虫予防に努めています。
8.益虫に期待
害虫を餌とする益虫グループの虫たちがいます。
「虫嫌いのガーデニングにおける虫の分け方」の記事でも少し触れていますが、てんとう虫やクモなどはその代表です。
私としては、この益虫たちをあえて呼び寄せるような形はとっていません。
でも、庭にいるとちょこちょことこういった虫たちも見かけます。
虫の苦手な私としては、益虫といえどもびくびくしてしまうのですが、このハンターたちが植物達を守ってくれていると信じ、遠くから見守ります。
以上、現在私が無農薬で害虫のこない庭づくりのために意識している対策でした。
正解はまだ見えず、その道のりは長そうですが、これからも庭とにらめっこしながら色々なことを試していきたいと思います。
【害虫のつきにくい植物の育て方・成長記録まとめ記事】


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